Stanby Tech Blog

求人検索エンジン「スタンバイ」を運営するスタンバイの開発組織やエンジニアリングについて発信するブログです。

スタンバイのプロダクト本部の行動指針「START」と「Engineering Belt」とは?

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スタンバイのプロダクト本部の行動指針「START」と「Engineering Belt」とは?

私達は、国内最大級の仕事・求人エンジン「スタンバイ」を成功させるために、常にユーザーファーストとプロダクトを中心に考えています。それを実現するため、強いProduct-drivenなTech組織を追求しています。

本記事では、スタンバイのプロダクト本部の事例を上げて、Product-drivenなTech組織の説明から、プロダクト創りに特化した行動指針「START」やエンジニア等級制度「Engineering Belt」を紹介します。

  • スタンバイにとってProduct-drivenなTech組織とは?
  • 経営者のビジネスを成功させたい意思とエンジニアの専門性を高めたい意志をどのように結びつけて事業成長に生かすのか?
  • エンジニアにとって、事業の理解度がどのようにプロとしての市場価値に繋がるか?
  • スタートアップの文化と制度は成否にどのような影響があるか?

特に個々人の専門性を高めたいエンジニア、プロダクトが中心となる事業を成長させたい企業や組織の参考の助けとなればと考えています。

スタンバイとは?

2015年5月にビズリーチの新規事業として「スタンバイ」がリリースされ、2019年11月にZホールディングス株式会社と株式会社ビズリーチ(現ビジョナル株式会社)はスタンバイを運営するために合弁事業会社「株式会社スタンバイ」を設立しました。 スタンバイが目指しているのは、仕事探しをもっと便利にすることによって、すべての働く人に、新しい働き方の可能性に気づいていただくことです。 たとえば、今よりもっと通勤が便利になる、自分に合った時間帯を選んで働ける、自分のやりたい仕事により近づく。そういった多様な選択肢を提供することにより、働くひとの可能性が広がって行くことが、私たちの願いです。そのような願いのもと、私たちは”UPDATE WORKSTYLES「はたらく」にもっと彩りを”をミッションとして定めました。 このミッションを実現するため、独自の仕事・求人検索エンジンを提供しています。この基盤となる検索エンジンやデータ管理などは非常に専門性が高く複雑なプロダクトであるため、プロダクト・技術戦略およびドメイン知識などを基盤に持った強い組織が必要です。

プロダクト本部が目指す強いProduct-drivenなTech組織とは?

「プロダクト主導型の組織は、実際に顧客とプロダクトに焦点を定める組織です。」1 継続的にユーザを中心に考えて、価値の高いプロダクトを生み出すため、それを実現できる環境を整備しています。

組織のビジョン

事業を成功させるため、優秀なが高い技術力(エンジニアリングに限らず)を生かして、価値の高いプロダクトを創り続ける必要があると考えています。スタートアップであるスタンバイを成功させるため、個々人が事業を深く理解し、個々の専門性を発揮し、自らの裁量を持って実行できることが必須です。それは目指す組織と環境の状態定義に以下のように表現しています:

  • 個々人が事業の構造を深く理解しその貢献のために考え、実行できる環境
  • 個々人が専門性や強みを生かし新たなチャレンジや成長をし続ける環境
  • 多様な働き方を受け入れた柔軟な組織
  • 圧倒的な透明性、権限委譲、当事者意識による高いAgility

このような組織のビジョンとあるべき姿に近づけるため、私達は行動指針を定義することにしました。詳細は次の段落で説明します。

行動指針「START」

プロダクト開発における個人とチームの行動の規範として行動指針を作成しました。 個人とチームの行動とマインドセットに関する期待を言語化したもので、「START」の5つの行動の頭文字から構成しました。 この行動指針は、日々会話の端々に出るくらいの浸透を図りたいと考えていて、月次で行っている本部内表彰の選考軸としていたり、採用・評価・育成・人材配置の観点、そして、このTech blogやAdvent Calendar など社外に情報発信する際の規範としてなど、常にプロダクト本部で活動を照らす鏡として使っています。

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各STARTの行動指針の観点の対象を明確するための図

「S・T・A・R・T」それぞれが示していることは次のとおりです。

  • Scientifc(科学的): 数字をビジネス、プロダクトの共通言語として、すべての事象や方針決定においてできる限り数字の裏付けをもとに実施され、評価され議論が行われる
  • Technological(技術的): あらゆる課題解決において技術的解決を最優先に考え、実施、または、技術的課題解決の未来のためのソリューションを提供する
  • Ambitious(野心的): グロースハック環境が整備され、常に野心的な戦略や目標に向かって挑戦し続ける
  • Relevant(自分ごと化): ビジネス、技術の専門家としてプロダクトの成長を考え、ユーザにとってより最適なソリューションを提案し続ける
  • Transactive memory(知恵最大化): 個々の専門性をリスペクトし、協力し合い、議論し、より最適な結果を導き出す

さきほど採用・評価・育成・人材配置の観点で使っていることに触れましたが、具体的に次の段落で説明します。

エンジニアに特化した等級定義と評価制度(Engineering Belt)

高い技術力を追求するため、Tech DNAとマインドセット、Technologyの要素を常に意識する必要があります。そうするため、エンジニアに対して「START」の観点を使った、エンジニアに特化した等級定義を作成しました。 この等級定義を作成した目的は、エンジニアの技術力の向上、キャリアパスを明確することだけではなく、経営者を含む他職種のメンバー間との共通言語を作ることも含まれています。なぜなら、ビジョン・戦略をプロダクト開発までしっかり繋げることが、スタンバイのミッションを達成するために不可欠な武器になると考えているためです。

また、この等級定義を作成する課程で、ビジョンや行動指針を体現するためには「多様な働き方を受け入れ、当事者意識による高いAgilityを発揮し、上下関係なくお互いを助け合う精神が必要不可欠だろう」という議論を重ねました。 その結果、『技を磨き、成長し続ける(学び続ける)場』である『道場』をオマージュし、空手・拳法などの「帯」をモチーフとして「Engineering Belt」と名付けることにしました。

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Engineering Beltの作り方をイメージするための概要と詳細ページ(省略)

「Engineering Belt」ではSpecialistとManagementのキャリアパスに分けて定義し、行動指針「START」個々の観点から基準と期待を明示しています。加えて、事業の成長のため、プロセス改善(例えば開発プロセスを通じてROIを高めるなど)、及びドメイン知識の獲得・啓蒙という観点を入れました。 そうすることによって、エンジニアリングレベルが事業や顧客価値への影響力に直接繋がる道筋を示し、レベル(Belt)が上がると、エンジニアリング力も上がると共にエンジニアとしての市場価値が上がることを狙い、スペシャリスト、またはジェネラリスト(マネジメント)を目指していくエンジニアに対して、それぞれの目標となる基準を言語化しました。 この「Engineering Belt」は、「START」を具体化したものなので、メンバーの目標設定や評価に使うことはもとより、採用時や人材配置時などに一貫して使っています。

最後に

今回は、私達のプロダクト開発組織が会社のミッションから組織のビジョンを定義し、それを実現するための行動指針「START」を定義し、更にそれをブレイクダウンしてメンバーの成長過程にあわせた行動基準を示す「Engineering Belt」を作成したことを紹介しました。 これらを体系化することは、事業とメンバーとの双方を共に成長させ、かつ持続可能性を獲得するために必要なツール、言ってみれば武器を(組織に)提供することだと考えています。

これらの基盤的なツールをはじめ、私達は事業の成功のための活動を行っています(例えばプロダクトロードマップ・テックロードマップ、OKR、DxCriteriaなど)これらはまた別の機会にご紹介したいと思います。

スタンバイのプロダクトや組織について詳しく知りたい方は、気軽にご相談ください。

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